ゲームAIから考える、プレシンギュラリティ時代におけるAIと人の関係
AIフォーラムレポート
http://www.asahi.com/dialog/articles/11676458
三宅 メタAIがなくてもゲームは動きますが、間が抜けた感じになってしまい、エンターテインメントとしての体験をつくることができません。この考えは、ゲームだけではなく、様々な場面に適用可能ではないでしょうか。
例えば、将来、デパートでは、フロアに設置されたロボットだけではなく、メタAIが天井からフロア全体を俯瞰し、困っている人がいないか、混雑具合はどうかなどを察知して、フロアにいるロボットに適切な指示を出すことが可能です。
すでに、ゲーム業界以外からも引き合いがあります。

鳥海 「強いAI」「弱いAI」という言葉があります。強いAIとは、人間のように意識を持ち、人間が関与できないレベルでものを考えるAIです。
一方で、弱いAIは、特定作業において人間の作業を代替し、知的に見える処理を行うAIです。
今のAI開発の中心は、まだ弱いAIの段階ですが、メタAIに代表されるゲームAIが社会に実装されれば、当面はドラえもんのような強いAIは必要ないかもしれません。

三宅 AIは、まだ無限のフレームで活用できるレベルには至っていないので、まずはゲームという枠の中で機械学習を行い、将来は社会に貢献できるようになるのが目標です。

鳥海 今後、ゲームから飛び出して、私たちの社会に入ってくる気がしますね。