なにもAIの超知性化だけが、近未来の脅威じゃない/林信行さん[中編]
https://www.cafeglobe.com/2018/11/singularity1_2.html
250歳まで生きられる未来がくる!?

たとえばロボット技術の周辺でも、これまでの価値観を崩すような動きが加速しています。身体の一部を機械に置き替えるロボティクス技術などが、その好例ですね。
最近、手足のない乙武洋匡さんに義足を装着してオリンピックの聖火ランナーにしようという動きが出てきて話題になっていますが、ちょっと先の未来には、
生身の身体よりも改造した身体の方が高い能力が発揮できるから自らの肉体を機械で改造する、といったことも起きてくるかもしれません。

またバイオサイエンス(生命科学)の分野も特異点を迎えつつあります。Google創業者のひとり、ラリー・ペイジが今、興味を持って投資しているテーマのひとつは、検索などのデジタル技術ではなくて「不老不死」です。
ヘルスケア事業を扱うCalico(キャリコ)という会社を立ちあげ、病気や老化の原因を究明しています。
これ以外にもNMNやメトホルミンといった長寿薬の研究も進んでおり、最終的には人類の寿命を250歳ぐらいまで引き上げられるという人も出始めています。ヒトの寿命が変われば当然、人生観も変わりますよね。

バイオ関連でいえば、DNA操作による遺伝子組換え技術から、頭に与えた電磁波や薬を飲むことで集中力など意識の状態を変える試みまで、さまざまな研究が行われています
……それらが人類の発展をもたらすのか、それともテクノロジーが暴走して、怖いSF映画の未来を招くのか。我々は、ある意味その岐路に立たされた世代だと思っています。