量子力学は確率の力学です
しかし確率論ではありません
確率論は、「簡単で納得しやすい基本的な確率」を最初に決めてから論を展開する
虚構上の公理系のようなものです
一方で量子力学は、基本的な「変動する確率」の振る舞いを決定論的に計算する、という
なんとも妙竹林なしろものです

そもそも虚構でしかなかった確率が、それ自体の振る舞いを与えられ、
実体化しているわけです
そうして、むき出しの確率が成立します

空間も重力も、そもそも幽霊のようなものだったわけですが
似たような経緯で実体の地位を得たわけです

確率は未だ、その地位を得るまでには至っていないようです
『確率は一般化にほかならない』(ウィトゲンシュタイン)