[Q] コンピューティングパラダイムが変わると。
[久夛良木氏]  Cellコンピューティングになると、家庭の中にスーパーコンピュータがあるのと同じことになる。
これはすごいパラダイムシフト。
今、地球シミュレータクラスのを、IBMがグリッドコンピューティングでやっているけど、
あれがもっとリアルタイムインターフェイスを持って家庭に来ることも可能になる。
それ(演算能力)が何に使えるか、考えるとワクワクして来る。
例えば、ロボットがその(Cellコンピューティングの)中にはいるのか、ロボットの制御になるのか、
お話し相手になるのか、いろいろなことができる。AI(人工知能)に人間が期待できるようになる。

[Q] その段階のCellコンピューティングで、エンタテインメントは何が実現できるのか。
[久夛良木氏]  処理能力は、エンタテインメントを考えるだけでも極端な要望がある。
エンタテインメントを越えた、感性の域までいったら千倍になっても足りない。
キアヌ・リーブスが映画「マトリックス」の中で、そこ(マトリックスの仮想世界)にいると感じる、
本物かどうか見分けがつかない(と感じる)、いつかは、あそこまでゆくはず。
ともかく、(Cellコンピューティングの)伸びは無限だから。
(Cellが)ネットワークに繋がれば繋がるほど数が増える。
人類はとんでもないものを手にするんじゃないかと思っているほど。
例えば、世界中の何億世帯にCellが入る。それも、1世帯1 Cellだけじゃなく、
家の中がネットワークでつながっていて、さらにいろいろ(Cell)あって。
それぞれ、導入した時によってスピードとかも違うかも知れないけど、
全部合わせると地球シミュレータの1万倍とか10万倍(のコンピューティングパワー)と言うと面白い。

(2003年9月1日)