こうして日本国憲法は、一貫して大したものではまったくなかった、という結論に至らざ
るをえなくなる。違いますか?
 日本は立派な近代国家になった、とわたしも考える。だからこそ、法治国家としての枠組
みが瓦解している成文憲法を無くしてしまう、との逆転の発想を私は本気で提案したい。
 第9条の2項を維持するなどという自民党改憲本部案(今年2月7日)は姑息でしかない。

 その指摘と、成文憲法を無くす、との間には次元が違い大仰天する方もいるだろう。が、
成文憲法を持たない国は、私の知る限りでも英国など72カ国はある。
 成文憲法を70年以上にわたって1字たりとも変えないーーこれのどこが誇るべきことな
のか?
 極端にいえば、安倍総理の好きな言葉を使って、新日本国憲法はたったの1行ーー「日本
国は常に美しくあれ。」だけでも良い。ごちゃごちゃ書き連ねながら70年以上も一字一句
同じままで現状にまったく適合しなくなっている、つまり成文憲法が法治国家に至らぬま
で自縄自縛してしまっているのだから、不文憲法で制御可能な国家に成熟してもいいだろ
う、と私は考える。

 別の面から虚構の憲法の異様さを明らかにしてみよう。
 自民党は、憲法は押しつけられたが警察予備隊=自衛隊は押しつけられたとはいわず、勢
いあまって軍隊ではないと虚言を弄(ろう)し続けてきた。
 他方、社会党や共産党はなんと、自衛隊は憲法上「存在しない」(笑)から、その存在を
認めない社共は、自衛隊維持や兵器や米軍への予算寄附を含む国会での予算審議に、出席を
拒否(!)することで、自民党案を丸々通し続けてきたのである。あほ野郎め。