たとえば日本国憲法第9条2項は、「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の
交戦権は、これを認めない。」ーーどう読んでも、自衛隊(国内外でも明らかな軍隊)の存
在とまったくもって完全に矛盾しているのは明らかだ。
 法律学をかじった者でなくとも、「陸海軍 空軍その他の戦力は、これを保持しない」と憲
法に明記されているのに、陸海空軍たる自衛隊が現存して予算も毎年組まれている、という
のは徹底した偽善であり、こんな虚構の憲法は近代法治国家の体をなしていないーーこと
くらいは小学2年生でも分かる、はずだった。

 解決法は3つある。第1は、法を変えることであり、第2は、現実を適法に変えること
であり、第3については肝心すぎるので後術する。

 これまで自民党の党是として「改憲」とも書いてきたが、歴史的に正確に述べれば「自主
憲法制定」である。日本国憲法はGHQ(アメリカ)に押しつけられたものであるから、自
主制定せねば、との党是である。しかし、肝心な(自衛隊の前身となる)警察予備隊は、ア
メリカの朝鮮戦争への協力のために強制して創設されたではないか(1950年8月10日の
GHQ政令のひとつとしての警察予備隊令による)。
 この強いられた警察予備隊という名の軍隊によって、日本はアメリカによる北朝鮮との
戦いに勝利し、当時は誰もが知る「朝鮮戦争特需」によって急速に我が国の経済が復興し、
高度経済成長へと通じていく。
 1952年10月15日の保安庁法という非自主法制により保安隊に改組され、こうして警察
予備隊は自衛隊(陸海空軍)に発展的解消をしてゆく。
 日本国内外で、自衛隊は軍隊でない、と本気で思う信じている者などいない。もしいたら
病の範疇になるので、ここでは精神科プロパーは捨象する。