>>48
フレキシブルカプラーは一個も使ってない。全部リジッド。
フレーム剛性を上げ、組み立て精度を上げ、位置の誤差を10um以下に抑えられれば、フレキシブルカプラー等は全て不要になる。
ちなみに私のプリンターにはテーブルの傾き調整機能や高さ調整機能もない。X軸フレームに直接エポキシで固定してる。
そのように設計し、そのように組み立て、何の調整もなしにノズルとテーブルの距離はXY軸方向の全ての位置で+-10umに入ってる。
これは、おそらく機械の寿命が来るまで変わらない。

「調整機構がある」ということは、逆に「調整しなければ狂ってる」、「調整してもプリント中に狂うかもしれない」ということを意味していて、
実際、フレームの共振やノズルがワークに引っかかる等の原因でプリント中に狂うことがよくある。
調整機構をなくせばそういうことは起こり得なくなるのだが、誰もその方向で設計しようとしない。

ボールネジはネジ側をスラストベアリングで固定するのが基本。
だからモーターとの連結はフレキシブルカプラーで問題ない。

ただし、ボールネジは初めから長さや固定方法が決められていて、追加工が難しい(転動面は焼きが入っている)。
つまり3Dプリンターの設計の自由度が大きく制限される。
また、高価だということもあり最初から考えなかった。
私が使っているのは一本100円の中国製で、これでもベルトより一桁上の精度が出る。

中国製の台形ネジは精度が悪いが、使ってみたらこっちの方がよかった。
まず、日本製の台形ネジは精度が高すぎて動きが固い。
普通はそれでいいのだが、小さなモーターで高速に回すのは辛い。
また、転造ネジがうねっているので、ナットがうねる。
切削ネジにすればうねりは無くなるが、その部品を買った頃直径8mmの日本製切削ネジは見つからなかった。
また、切削ネジだとかなり高価になる。

その点中国製は、一本100円でも切削ネジでうねりがない。転造機より旋盤の方が安いからなんだろうな。
ナットのガタはちょう度3のグリスで抑えている。
上に書いた3200mm/minというのは、ちょう度3のグリスでの値。
グリスを柔らかくすると、抵抗が減って速く動くようになるが、ガタが増える。
逆に固くすると、ガタは減るが、遅くなる。
ここら辺は設計で詰め切れないので、試作や実験の過程で決定する。技術力の差が出る部分。

グリス使うと毎月メンテナンスが必要になるが、タイミングベルトに戻ろうと思うほどではない。
X軸のネジはカプラーのネジ2本、Y軸はカバーとカプラーのネジ6本抜けば外れるようになっている。
整備性もネジの方が圧倒的にいい。

ちなみに、左右のZネジのリンクにはタイミンベルトを使っている。Zモーターは当然一個。
Zモーターが二個あるプリンターもよく見るが(なにしろコントローラ基板にZモーター用の出力が二個ある)、
理解に苦しむ。出力的にもトルク的にも必要ないし、リンクすれば一個は不要になる。
Z軸の左右リンクがないプリンターはその時点で論外。

ナットはP10のOリング2個で挟んでフレームに固定しているが、
うねり等がほとんどないので、直結でよかったかもしれない。