思考の抽象度を上げて本質的に物事を認識するためには、前提となる知識や教養が必要です。

「神は死んだ」
という言葉を聞いても、ドイツの哲学者ニーチェのことを知っているか否かで、その言葉が本当に意味していることを的確に捉えることはできません。
情報の意味を正しく捉えるためには前提知識・基礎教養が不可欠です。

そうした知識・教養を支えているのは強い知的好奇心です。
自分の知らないことに対する貪欲な態度、「わからない」ということに対する妥協なき追究が、結果的に知識・教養の豊かさにつながっています。
 
「神は死んだ」とは、「キリスト教の信仰は信ずるに値しない」という意味であり、それとともに「絶対的な視点は存在しない」という意味でもあります。
ヨーロッパのキリスト教信仰によって、いかに生きるべきかという視点が固定されていた人々への、発想の転換を迫ったのです。