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はてなダイアリーの方から抜粋

人間性が収奪された世界

たとえば、今では誰かが車のローンの支払いをやめたら、車両監視システムに指示を出して、車を発進できなくさせることが簡単にできるようになった。また、保険会社はこのシステムを使い、顧客が安全運転しているかどうかを確認し、保険契約の継続・料金の上げ下げ、契約の終了といった判断をリアルタイムで下すこともできる。
シートベルトをしめているか、速度、アイドリング時間、ブレーキングやコーナリング。強引な加速に長時間の運転、立入禁止区域への侵入まで、すべてのデータが収集できる。こうしたシステムが車に搭載されたら、当然それは人間の行動に影響が出るだろう。保険料金を上げない、あるいは打ち切られないために、みんな法定速度をおかさず、安全運転を志すかもしれない。それは、素晴らしいことだ、と思うかもしれない。みんながみんな安全運転以外許されなくなったら、事故も減るだろう。
もちろん、事故が減るのは喜ばしいことだが、一方でどこまで事故の減少のために自由を明け渡すべきかはよく考えるべきだろう。また、それは本質的には事故の減少が目的ではなく、保険会社の利益のために行われていることである。たとえば、運転データは安全性のためだけでなく、ユーザの運転特性からターゲティング広告が設定されたり、実在する店などへの誘導に用いられることもあるだろう。ドライバーの行動から吸い上げられたデータは、ドライバーを制御するために用いられるようになる。