CPAP(海外品)の自己所有の問題点

(1) 我が国では、品質を伴わない医薬品や医療機器の使用による事故を防止するため、
「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」により
医薬品や医療機器のが厳しく規制されている。 CPAPはそのような医療機器に該当する。
(2) 日本で販売可能な医療機器は厚生労働省の認定機器に限られており、その販売・貸与は
認められた業者だけが許されている。海外で販売されているCPAPは厚生労働省の認定を経ておらず、
日本においてそれを販売・貸与する行為は違法行為である。
(3) 日本での販売は違法行為ではあるものの、海外(主に米国)のCPAP販売サイトでネット販売
されているため、こちらで注文を入力すると、注文内容にもよるが、日本に発送され届いて
しまうケースも多い。また、これをネットオークション等で高額で転売する者もおり、
こちらも摘発が不十分なため、購入できてしまうようである。
(4) 海外販売のCPAPの使用は日本における医療としてはありえない行為であり、客観的には
「治療」と認められていない。そのため、日本では、海外品CPAPの使用を認めない医師も多い。
このため、多くのCPAP購入者は、医師の協力が得られない中で海外輸入を決行することになる。
購入後の医師による診察継続は当然できず、 購入したCPAPのデータをSleepyHeadというフリーソフト
を用いて自分で解析し、判断することになる。 しかるに、多くの人は解析する知識もないため、
異常があっても何ら対処できない「素人療法」を長年に渡り継続することになる。
(5) CPAPの使用を継続するには、マスク・フィルターなどを定期的にあるいは破損時に直ちに
交換する必要があり、それら消耗品の調達も個人輸入等により自分で行う必要がある。
しかしながら将来に渡り消耗品を継続的に入手できる保証はない。

以上のようにCPAPの個人輸入には多々の問題点があり、個人輸入にあたっては、そのデメリットを
十分に理解して行うべきである。

なお、過去CPAPの保険適用による使用には、毎月の受診が必須だったため、それを避けるためCPAPの個人輸入
が流行したが、2016年4月以降は、医師の判断により3カ月に1回の通院で保険適用が可能になっている。