【音響外傷・音響性難聴について】

コンサート等で大きな音を聞いてしまい内耳に損傷を受けると、聴力が低下し耳鳴りが発生することがあります。
このような場合も、突発性難聴と同じような治療をすることになります。
広い意味で「騒音性難聴」と診断されたり「突発性難聴」と言われたりすることもありますが、「音響性難聴(または音響外傷)」というのが正確な病名です。
症状としては、耳の詰まった感じ、キーン・シャーといった耳鳴り、
主に4000Hzを中心とした高音域の聴力低下、場合によってはめまいもあります。
爆発音や発砲音などの一瞬の爆音での発症ほど回復が難しく、ロックバンドのライブコンサートなど数時間の長めの騒音暴露になると割と回復が望めます。

早期治療が鉄則で、突発性難聴と同様の治療が行われることもあります。
極軽度なら自然治癒も期待できますが、ステロイド剤(+補助的にビタミン剤や代謝賦活剤も)による早期治療を強く推奨します。
突発性難聴と同様、遅くとも一週間以内に治療を開始しないと多くの場合後遺症が残ってしまうので、
コンサートや音楽鑑賞などで長時間騒音を聞いてしまった後、耳に不調を感じた場合は、一刻も早く耳鼻科を受診しましょう。
そして一度発症してしまった人で再び音楽鑑賞をする人は、再発を防ぐために「コンサート用の耳栓」を用いるようにしましょう。(ネットで買えます)

難聴の発症は内耳の神経細胞が酸化してしまうことと関係があります。
そのためNAC(N-アセチルシステイン)という強い抗酸化作用のあるサプリメントを事前に摂取して、騒音性難聴発症を防ぐ試みも海外であります。
加齢性難聴に効果があるものとしてαリポ酸やコエンザイムQ10も注目されています。


最新の研究で騒音性難聴になりやすい人〜なりにくい人がいることが科学的に証明されました
http://news.mynavi.jp/news/2016/01/19/047/
旧聞: 騒音性難聴になりやすい体質
http://www.zaikei.co.jp/article/20160130/289508.html