>>353を批判する前に、問題となっている部分を引用します。

以下の引用は、野口昭子『回想の野口晴哉』ちくま文庫、2006年
46ページ12行目から47ページ12行目までです。


46ページ

12> そのころ先生は講習会を開き、『全生』というパンフレットも出したが、その説く
13> ところは、生を萎縮せしめるすべての既成観念を打破することであった。
14> 私が育ったころの古い衛生観念では、熱が出たら氷枕と氷嚢、風邪が流行ればマス

47ページ

1> ク、冷えて下痢しないためには腹巻、というのが常識になっていた。
2> それに対して、先生は、
3> 「熱も、痛みも、嘔吐も下痢も、また風邪も、すべて人体の抵抗作用であり、蛇が皮
4> を脱ぐのと同じ更新作用であり、古びた組織を改造し、鈍った機能を旺盛ならしむる
5> 作用である。
6> それを妨げれば、自律作用が鈍り、麻痺を亢進させることは、自明の理である
7> といった論法で、生き生きした生命観を打ち出して行ったのである。
8> しかし、如何に真理とはいえ、当時に於いては、余りにも大胆不敵な全生論であった。
9> ある昔の会員は先生を追想して、
10>「野口先生ぐらい、毀誉褒貶の大きく分かれた人は、いないだろう」と言った。
11>それでも尚、求める人が跡を絶たなかったのは、やはり先生の超人的な愉気の力と、
12>その人間的な魅力が相俟っていたからではなかろうか。