伊藤貫が語るヌーランドとウクライナ政府の関係と、ロシア、ウクライナ戦争の真相

■表現者「危機」と対峙する保守思想誌  クライテリオン 2020年3月号■

★臆病者の国、日本は、世界から侮蔑される(後編)伊藤貫X藤井聡  
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伊藤貫:ロシア政策のエキスパートだったジョージ・ケナンは
「冷戦後のNATO拡大政策は、アメリカ外交の悲劇的な失敗だ」と述べています。

藤井聡:そうでしたね。そんなことをするから、虎の尾を踏んじゃったわけですよね、ロシアの。
これでロシアがカンカンに怒ることになった。

伊藤:アメリカが企んだのは、過去3世紀の間、ロシアの勢力圏だった隣国のウクライナとグルジアをNATOの加盟国にして、
「米軍がこれら二か国を対露政策の軍事拠点として利用する」ってことです。

アメリカの隣国、カナダとメキシコがロシアの軍事同盟になって、
アメリカの国境地帯にロシア軍の戦車やミサイルが多数配備されたら、アメリカ人はそれに我慢できますか?
アメリカ人は、ロシア人の心理を理解しようとしないのです。
長い期間、西洋文明に対して鋭い劣等感を抱いてきたロシア人を露骨に侮辱して、ケロッとしている。

藤井:そもそもウクライナはロシアにとって「核心的利益」ですから、
そこにNATOなりアメリカが進駐するようなことは、ロシアは絶対に許せない。