■日本が売られる■ (著者)堤未果 2018年10月4日
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★大阪市では「水を企業に委ねてええの?」
麻生副総理による水道バーゲンセール告知の2日前、「公共インフラの運営権を民間企業に売却しましょう」
と日本政府に提案していた、もう一人のキーパーソンがいた。

小泉政権で日本の水道を最初に民営化した立役者であり、今は安倍政権の産業競争力会議メンバーである、
竹中平蔵民間議員(注:議員といっても選挙で選ばれるのではなく総理が指名。
現在各分野の規制緩和法案骨子は彼らによって作られている)だ。

竹中氏はこの時、2012年に橋下徹市長(当時)が「水道民営化構想」を掲げていた大阪市を、優良事例として紹介した。

「競争がサービスの質を上げ、水道料金を下げ、水道料金を下げ、それが市民に還元される!」
橋下市長は水道民営化のメリットを繰り返し強調し、2014年4月に水道事業の運営権(30年)を、
市が全額出資する民間企業に2300憶円で売る方針を発表する。

だがシビアな大阪人たちは瞬時に算盤を弾き、この提案に眉をひそめた。

その提案があった年、大阪の水道事業は103億円の利益を上げていたからだ。
長期間かけて少しずつ返済する債務はあるが、経営は黒字。
2003年の高度浄化処理システム導入以降は品質の良い美味しい水が安く供給できている。優良自治体なのだ。
なぜわざわざ民営化するのか?2300億円?