矢野監督は3年契約最終年の昨季、前半戦で貯金22と独走も、まさかのV逸。
巨人とのクライマックスシリーズでも見せ場なく終戦を迎えたが、10月半ばのドラフト会議を前に
球団フロントは「今の体制でドラフト戦略を行いたい」と親会社の阪急阪神ホールディングスに申し入れ、
1年契約で矢野監督の続投が了承されていた。

しかし本紙の取材に、「続投要請の過程で、矢野監督が一旦、退任の意向を示していた、と聞いた」
と話す選手もいた。12月ごろにも一部で「来季で矢野監督が辞めることが濃厚」との噂もささやかれており、
不穏な足音は選手たちへ届いていたともいえる。

とはいえ、シーズン途中に負けが込んで球団側から休養や解任を言い渡されるシチュエーションならまだしも、
開幕の2カ月前から去就に言及するのは、日本球界では異例だ。

矢野監督がこのミーティングで選手に退任の意向を伝えることは、球団でも了承済み。球団上層部は
「マイナスの方が大きくなるかもしれないが、本人がどうしても伝えたいなら」と意を汲んだものの、
やはり衝撃度は特大級だった。

前代未聞の事態に「何を言ってんだよ!」と怒り狂う球団OBも多く、球団内外に波紋が広がっている。

コーチ経験のあるOBは「さあ、今シーズン頑張るぞ≠ニ意気込む決起集会の場で『辞めます』はないし、
はっきり言ってふざけるなよ≠チて話。ただただ、自分が苦しみから解放されたいように見えてしまうし、
現場責任者として薄情にも映る」と語気を強めた。