里崎さんは語ります。
「山中さんは選手に選択肢を与えてくれるんです。たとえばワンバウンドを止めるには、どうすべきか。
外国人みたいに足を広げて構えるべきか、逆に足を狭めるべきか。一番やりやすいやり方でやってみろ、と言うんです。そして、ブルペンでひたすらピッチャーが実際に投げるボールを捕ることを繰り返しました。

 16年の現役生活で、こういう提案をしてくれたのは山中さんだけでした。AとBとCの方法があるんだけど、Aをやりたいんだったら、それを追求しろ。うまくいかなかったらBを試せばいいじゃないかと。

 山中さんは、いろんな選択肢を示しながらも、“選択権は選手にある”と言うんです。たいていのコーチは逆ですよね。山中さんとの出会いがなかったら、16年も現役でいられることはなかったと思います」


まあ、これは里崎の主観だけど、これがしっくりくる選手もいれば、コーチに言われるがままの方が楽な選手もいるだろうし