最も高額なのは、阿部選手(00年ドラフトで入団)の10億円。野間口選手(04年)は7億円、高橋選手(97年)は
6億5千万円、上原選手(98年)、二岡選手(同年)は各5億円、内海選手(03年)は2億5千万円となっている。
このほか、上原選手には退団時の功労金1億2千万円、二岡選手には退団時の功労金7千万円と
別の出来高払い3千万円も支払う契約となっていた。

 6選手の契約では、1億5千万円を超過する金額について、複数年にまたがって分割払いするとし、
各年の出来高条件の一部をクリアした場合に支払われるとされていた。複数の巨人軍関係者によると、
巨人軍にとってこの出来高払いは税務上、契約金の分割払いとみなされ、通常の出来高払いとは違う会計処理をしていた。
各選手も税務申告する際、契約金の一部であることを明らかにしていた。国税当局も税務調査などでこうした内容を把握しているという。

 最高標準額を超過した契約金をめぐっては、横浜(現DeNA)が、04年に自由獲得枠で入団した那須野巧選手に
5億3千万円の契約金を支払っていたことが07年に発覚。西武も同年、選手15人に対し最高標準額を上回り、
計11億9千万円(超過額)を支払っていたと公表した。プロ野球を統括する日本野球機構は、これらの行為について
厳重注意処分とした。今回判明した巨人軍の契約の中には、これらと同時期に結ばれていたものもある。