理由はこうだ。

 「韓国時代のロサリオが得意としていたゾーンは真ん中からやや内側。逆に外側はバットが届かないから、狙って踏み込まないと打てないフォームでした。つまり外の真っ直ぐと、低く落ちて逃げる変化球。

相手からすれば、そこのラインを間違わなければ長打を許す可能性は低かった」

 ただロサリオもそれは自覚し、ある程度外角は捨て、打てるコースに狙いを付けていたという。

 「でもそれだとヒットは出ても、ホームランはない。またそういうタイプですから、サイドスローは苦手にしていました。外に逃げる変化球には対応できなかった」

 そのため、相手ベンチがサイドスローの中継ぎを出したら、代打を出されたこともあったという。言い換えれば、外角に逃げる球種のない投手、例えば左投手の内に入ってくるボールなどは餌食にしていた。

 「ただ相手が警戒してくると必然的に外角主体になる。でもその外角を苦手にしていたので。また彼の打球はそもそも中距離打者特有のラインドライブ。

ホームラン打者特有の下から叩いて放物線を描く者でもなかった。もし韓国時代と同じ打撃をしている限り、日本で本塁打はあまり望めないと思う」

 韓国では16年が37本、昨季が37本。それでも彼はこう続けた。

 「ましてや本拠地が広い甲子園球場でしょ。低めをしっかり捨てられるか。それともその低めをすくい上げて運べるフォームにリニューアルしていくか。それができるか」

 相手ベンチから見ていた、別のチームのコーチに感想を聞いた。彼もまた「日本の投手がちゃんと攻めたら、そうそう打てないのでは」と切り出し、こう続けた。

 「パワーはあるから、当たれば軽くスタンドインさせる。打ち損じをうまく捉える技術も持っている。ただ選球眼はいい方じゃない。

韓国での成績は確かにいいが、それが即、日本での成績につながると思ったら間違いですよ」