0701レオポン俊介 ◆Kb19MD/h8Y (ワッチョイ 3302-ApVe)
2018/11/28(水) 23:19:17.51ID:6F8W2oWg017日の極秘交渉で感じた手応えを、ぶつけた。ゴーサインを取り付ける前に、自分の眼で、「中村」を見ておきたかった。
総帥を説得するためには、フライング交渉しかなかった。
ただ結果的には、この苦労は報われなかった。11月21日の『初交渉』。ノリの何気ないひと言で熱は一気に冷めた。
「巨人は、これだけ出してくれるんです、と言いよったんや。小さな声でな」。本人に他意はなかったかもしれない。
ただ好条件を引き出すための、駆け引きに利用されるニオイを感じた瞬間、身近に感じた「中村」は遠ざかっていった。
トランクの中で息を潜めたとき、惨めさは感じなかった。それだけに、反動は大きかった。ホレやすい人間だからこそ、ちょっとした違和感に、過敏なまでに反応してしまう。悲しい性だった。
12月21日の深夜。ノリが近鉄残留を決めた。「縁がなかったということやな」が闘将の第一声だった。前代未聞の『逃走劇』は、指揮官にとって、あまりにもホロ苦い結末となってしまった。
(稲見 誠)