「二軍クラスの契約更改の場合、事前通知があろうがなかろうが提示された金額で印鑑
を押すしかない。サインをせずに保留でもしようものなら戦力外になる恐れもあるから
、このクラスに変化はないでしょう。変わってくるのは準レギュラーの中堅クラス以
上です」

 中堅クラス以上の契約更改の席には球団本部長クラスと査定担当が同席して選手と対
峙する。場所は球団事務所の応接室。テーブルの上には、選手の反論を封じるかのよ
うな分厚い査定資料が置かれている。

 査定スタッフは全試合に帯同。同じヒット1本にしても、先取点につながったか、勝
ち越しの一打だったかなどが細かくポイント化されていく。タイトル獲得やCS、日本
シリーズでの活躍はシーズン中の成績とは別に加算される。野崎氏が続ける。

「基本的には貢献度を細かくチェックする加点方式。サイン見逃しや併殺打などによ
る減点もありますが、1年間でポイントは1000点台になっていく。その合計ポイント
の対前年比が査定の基準になる」