死とは、およそ敵わないような強敵、理不尽、非合理である。
では、なぜ自殺が成立するのだろうか?
人間は時として自らの生物学的な死よりも社会的な死の方が恐ろしくなることがある。
虐められた中学生、過労死寸前のサラリーマン、スキャンダルの報じられた政治家。
彼らに共通するのは、他人の人生を生きていることだ。
死ぬ気になれば何でもできるは、自分の人生を生きているもののみに通用する言葉なのである。