大学初年度で実験が始まると、偏微分や統計学や、何やらよく分からないままに、誤差について計算することになります。
意外と、物理学科の学生でも大学初年度の実験時に誤差伝搬について、しっかり理解している人は少ないのではないでしょうか?
データ解析や測定についての本は数冊ありますが、数も少ないように思います。
皆さんのつまづきや、イメージなど、色々話し合えると良いなと思います。
私自身、感覚がつかめなくて戸惑っています。
ではさっそく、私から話題を投入します。
最初に、(a±b)±(c±d) b=Δa、d=Δc を考えたいと思います。
誤差伝搬の式からルートが出てくるのは知識として知っているのですが、
感覚として、どうしてもシックリきません。
(a±b)±(c±d)を考えることとは、
感覚的には、a±bの範囲に真値があるものと、c±dの範囲に真値があるものを
足すということですよね。(ここまでで間違っていたらどうしようもないですが)
それで、Xの範囲がa±bなら、Xは、a-bとa+bの間のどこかに値があります。
一番小さな値でもa-b、一番大きな値でもa+bということですよね。
このような、範囲のあるモノ同士の数値の足し算は、
一番小さな値から一番大きな値の引き算と、一番大きな値同士の足し算の
範囲に収まる・・・と思います。(ここまでの私の感覚は違っているのでしょうか?)。
この考えで行くと、a±bでの一番小さな値であるa-bと、
c±dでの一番大きな値であるc+d、を引いた値である、
a-b-c-dが最も小さく、a+b+c+dが最も大きな値であり、
この間に真値があると考えられるように思います。
(ここまでで、私の感覚は違っていますでしょうか?)
今、これをα±βの形で表示したいのですから、α−β=a-b-c-d、
α+β=a+b+c+dを解けば、α=a、β=b+c+dと書けます。
どこにも√は入ってきません。
さて、この考え方はどこら辺がまずいのでしょうか?
次は、X±ΔX と、Y±ΔY の 積 を考えます。
積を 面積として考えると、
面積の最小値は、一番小さな数同士の積だから、(X-ΔX)(Y-ΔY)
面積の最大値は、一番大きな数同士の積だから、(X+ΔX)(Y+ΔY)である。
つまり、面積Sの取りうる範囲は、(X-ΔX)(Y-ΔY)≦S≦(X+ΔX)(Y+ΔY)となり
これをα±βの形にしたいので、α−β=小さい方、α+β=大きい方、だから
α=((X-ΔX)(Y-ΔY)+(X+ΔX)(Y+ΔY) )/2
β=((X+ΔX)(Y+ΔY)−(X-ΔX)(Y-ΔY) )/2 となる。
整理すると
(X+ΔX)(Y+ΔY) =XY+XΔY+YΔX+ΔXΔY
(X-ΔX)(Y-ΔY)=XY-XΔY-YΔX+ΔXΔY より
α=XY+ΔXΔY
β=XΔY+YΔX となる。
誤差は2乗の期待値引く期待値の2乗をルートとったものだ
厳密には平均(期待値)との差の二乗の平均のルートやな
つまり、訂正すると
(a±b)±(c±d)を考えることとは、
a±bの範囲に真値がありそうだと確率的にいえる値と、
c±dの範囲に真値がありそうだと確率的にいえる値を 足すこと。
となりますでしょうか。