ADAが今回発表した「Nutrition Therapy Recommendations」は、10月9日付けで医学誌「Diabetes Care」に掲載された。
前回から5年を経た改定で、最新の科学的なエビデンスにもとづき策定されている。
 今回の改定で強調されているのは、「個人の好み、文化背景
、生活習慣、治療目標など、糖尿病患者の背景はさまざまなので、個々の患者に合わせて食事指導を行うべき」とし、
「すべてにフィットするもの(One Size Fits All)はない」とした点だ。
「食事療法は糖尿病治療の基本であり、すべての患者が行うべき。患者自身が積極的に自己管理や教育に関わり、
食生活の見直しを含む治療プランに医療者と共同で取り組むことが重要」と強調している。
 「糖尿病患者の食事スタイルには、さまざまな食事スタイルがあり、
健康にあらわれる効果も多様であることが示されています。“このやり方が正しい”と限定するための科学的な根拠は不足しています。
そのため、最新の糖尿病の食事療法ガイドイランでは、1種類の食事スタイルのみを推奨してはいません」
と、ミネアポリス心臓研究財団のジャッキー バウチャー氏は話す。
 食事療法の目的は、血糖値や、コレステロール値などの脂質異常
、血圧値を改善することが目的で、そのための方法は個々の患者によって適正化される必要があるという。
 地中海式ダイエットや、菜食主義ダイエット、低糖質ダイエット、
低脂質ダイエットなど、さまざまな食事法があるが、重要なことは、患者の食習慣や嗜好などの生活スタイルに適合していて、
食事療法を続けられることだという。

「行いやすい食事療法を選択して、それをより健康的に変えていく方法が実際的だといえます」と、バウチャー氏は言う。
 「糖尿病と診断されたからといって、好きな食品を食べられないわけではないし、
慣れ親しんだ食文化を楽しめくなるわけでもありません。望ましいのは、糖尿病患者が医師や登録栄養士(RD)の適切なアドバイスを受けて、個々に適正化された食事療法を行うことです」と、ワシントン大学医療センター糖尿病ケアセンターのアリソン エバート氏はこう語る