兄が潰瘍性大腸炎で死んだ、まだ若かったのに
末期には24時間内で一回しか脊髄に打てない痛み止めも効かなくなっていた
肌はどす黒くなり薬の副作用で髪の毛は抜け火葬後の遺体でも肝臓は焼かれず黒ずんで残っていた
俺は毎日見舞いに行って兄を明るく励まそうとしたが腸に負担がかかるから医者から笑わせる事も止められていた
点滴だけで生きていて食事も出来ないのでカラーで美味しそうな料理が載ってる本を毎週買って兄に見せていた
こんな病気の前では無力で何も出来い自分を呪い、悪魔にとりつかれたかのような兄を運が悪いと思うしかなかった

あれから自分の時間も止まった、世間の不公平さ、神なんていない、いざとなったら無情の世界がそこにあった
でも今では以前と違い心に少しだけ余裕も生まれ、もうこんな悲しい思いするのは兄だけで許して欲しいと神様に祈ることがある
もう29年前の話、兄が生きてたら54歳
今自分は戒名書かれた位牌の前で毎日手を合わせ、同時に祈っています
あんな苦しく悲しい思いをする人を一人でも減らして欲しいと
きっと神様がいると信じて