>>195のつづき
(2つの定義の同値を示す定理とその証明)

定理(同値性)
(X, d_X), (Y, d_Y) を距離空間とし、
f : X → Y を写像とする。
f が距離空間としての連続(ε-δ)であることと、
f が位相空間 (X, τ_{d_X}), (Y, τ_{d_Y}) としての連続(開集合の逆像)であることは
同値である。

証明(⇒)ε-δ連続 ⇒ 開集合の逆像が開

f が ε-δ で連続であるとする。
V ⊆ Y が開(位相 τ_{d_Y} で)とする。
示すべきこと:
f⁻¹(V) が τ_{d_X} で開である。
任意に x₀ ∈ f⁻¹(V) を取る ⇔ f(x₀) ∈ V
V が開なので、∃ ε > 0 s.t. B_{d_Y}(f(x₀), ε) ⊆ V
f が x₀ で ε-δ 連続なので、この ε に対して
∃ δ > 0 s.t.d_X(x, x₀) < δ ⟹ d_Y(f(x), f(x₀)) < ε
⇔ B_{d_X}(x₀, δ) ⊆ f⁻¹( B_{d_Y}(f(x₀), ε) ) ⊆ f⁻¹(V)
よって x₀ の近傍(開球)全体が f⁻¹(V) に含まれる → f⁻¹(V) は開。

証明(⇐)開集合の逆像が開 ⇒ ε-δ連続

f が位相的に連続であるとする。
任意に x₀ ∈ X, 任意に ε > 0 を取る。
開球 B_{d_Y}(f(x₀), ε) は Y で開集合である。
f が連続なので U := f⁻¹( B_{d_Y}(f(x₀), ε) ) は X で開集合
x₀ ∈ U であり、U が開なので
∃ δ > 0 s.t.B_{d_X}(x₀, δ) ⊆ U
⇔ d_X(x, x₀) < δ ⟹ x ∈ U ⟹ f(x) ∈ B_{d_Y}(f(x₀), ε)
⇔ d_Y(f(x), f(x₀)) < ε
これがまさに ε-δ 定義そのもの。

したがって両者は同値。

まとめ(とても簡潔に)

距離空間の ε-δ 連続
↓(同値)
距離から誘導された位相での「開集合の逆像が開」
↓(一般化)
任意の位相空間での連続性の定義

つまり、位相空間の連続性定義は
「距離空間の場合に ε-δ と一致するように」
自然に一般化されたものだと言えます。

(完)