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つづき

さて, Monster が最初に構成されたのは, 196,833 次元の可換代数
の自己同型群としてであるが ([6]), その際重要な役割を果たす
のは, $C=2^{1+24}.(Co.1)$ という形の極大部分群であった。 ここで,
Co.l は COnWay の単純群で 24 次元の Leech lattice の全自己同
型群の (位数 2 の) 中心による商群である。 この極大部分群 $C$ と
Leech lattice を出発点に 196,833 次元の表現空間が定義されるので
あるが, そこに Monster が作用するという事実は, 簡単に説明付け
られるものではなく, 全体像がつかみづらいと言わざるを得ない。
一方 Y-preSentation と呼ばれる COXeter 群 $Y_{555}$ を用いた記述は,
MonSter を簡単な生成元と関係式で与えるものであり, 上記のよう
に部分群から積み上げるのと異なり, 一挙に全体を捕らえようとす
るものである。さらに, そこから上記の極大部分群 $C=2^{1+24}.(Co.1)$
を作ることもできる。 しかし, $C$ を構成する過程はいささか複雑で
あり, Co.l と Leech lattice との関係は表に出てこず, 196,833 次
元の表現と結び付くものではない。
我々の目標は, Y-preSentation から得られる 26 node theorem, お
よび, Leech lattice と深い関わりをもつ LorentZian lattice を用い
て, 2 つの構成法の橋渡しをしたいということであり, MOnSter の
研究に新しい光を与え得るものと期待している。

つづく