さて、学部の数学科で学んで3年生あたりになっても数学者への夢が挫折していなければ、分野を選択して大学院への進学を準備します
細かい事情は省いて結論だけ言うと、なにがなんでもという強い意志がなく、数学者として生き残りたければ現時点で画期的なテーマと数論分野を選択するのは避けましょう
現時点では数学志望の高校生達や数学科の学部生にとってあこがれのテーマは宇宙際タイヒミューラー理論ということになり、画期的でかつ数論分野という最悪の状態なので、特に注意が必要です
(1) 数論はとりつきやすいが論文を書くのが大変で、当てれば大きいが、結局当たらないままで消えていく人が多い
(2) 数論分野は長年にわたって、組織的に優秀な人材をリクルートしてきたたため、消えた人を差し引いてもポストに対して人材が余っている
(3) 現在画期的と考えられている分野というのはこれまで知られていなかった、理解されなかった分野なので、そこで成果を出すのはとても難しい
という理由からですが、もちろん「身はたとへ、北白川に朽ちるとも、留めおかまし数論魂」という心意気で挑戦するのは勝手です