(修正23)
【定理】pが奇素数のとき、x^p+y^p=z^pの解x,y,zは、整数比とならない。
【証明】x^p+y^p=z^pを、z=x+rとおいてx^p+y^p=(x+r)^p…(1)とする。
(1)を積の形にすると、r^(p-1){(y/r)^p-1}=ap{x^(p-1)+…+r^(p-2)x}(1/a)…(2)となる。
(2)はa=1、r^(p-1)=pのとき、x^p+y^p=(x+p^{1/(p-1)})^p…(3)となる。
(2)はa=1以外、r^(p-1)=apのとき、x^p+y^p=(x+(ap)^{1/(p-1)})^p…(4)となる。rは有理数となり得る。
(3)はp^{1/(p-1)}が無理数なので、yを有理数とすると、xは無理数となる。x,y,zは整数比とならない。
(4)の解x,y,zは、(3)の解x,y,zのa^{1/(p-1)}倍となるので、(4)のx,y,rを有理数とすると、成り立たない。
(3)のx,yが無理数の場合は、(sw)^p+(tw)^p=(sw+p^{1/(p-1)})^p…(5)とする。(s,tは有理数、wは無理数)
(5)の両辺をw^pで割って、s^p+t^p=(s+(p^{1/(p-1)})/w)^p…(5')とする。
(5')は(p^{1/(p-1)})/w=(ap)^{1/(p-1)}を有理数、s=x、t=yとしたとき、(4)が成り立たないので、成り立たない。
∴pが奇素数のとき、x^p+y^p=z^pの解x,y,zは、整数比とならない。