”楕円曲線の不変量の一つとして導手 (conductor) があるが,これを計算するためには
Tate のアルゴリズムと呼ばれるものを用いる.
導手は楕円曲線の還元の様子を如実に表す量であり,悪い還元 (bad reduction) を持つような素点が因子として出現する.
逆に言えば,もしも楕円曲線が至る所良い還元を持つならば,導手は自明となる 3. ”

(参考)
http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~kyodo/kokyuroku/contents/pdf/1785-08.pdf
数理解析研究所講究録
第 1785 巻 2012 年 57-66
楕円曲線の計算にみる数論システムの進展状況
九州大学大学院数理学府 D2 横山 俊一

現時点では筆者は Pari/GP
と MAGMA の組み込み関数を使い,Sage で統合環境を用意してプログラムを組ん
でいるが,これは要するに 「Pari/GP と MAGMA の良い所取り」である.
例えば楕円曲線の不変量の一つとして導手 (conductor) があるが,これを計算するためには
Tate のアルゴリズムと呼ばれるものを用いる.

導手は楕円曲線の還元の様子を如実に表す量であり,悪い還元 (bad reduction) を持つような素点が因子として出現する.
逆に言えば,もしも楕円曲線が至る所良い還元を持つならば,導手は自明となる 3.
逆に,与えられた導手を持つような楕円曲線のリストを計算する営みも行われている.John
Cremona (Warwick 大学) よるデータベースは,2011 年 12 月 9 日現在で 210,000
以下の導手について公開されている.なお,楕円曲線の考察には他に判別式
(discriminant) が使用されることが多い.但しこの量は楕円曲線のモデルの
取り方に依存する 4 ため,導手等とは異なり不変量とはなりえない.

つづく