まあ集合・論理の空疎空論が
いかに初等整数論で役立たないのかは
新妻・木村『群・環・体』を読めばわかる
公理化された定義と論理で証明しようとすれば
何でもありの世界がすぐに見えてくる

木村先生は理科大で揉めて大東文化大に行かれたそうだが
偶々理科大で非常勤講師を務めていらっしゃるときに学ぶことができた
実際先生の講義を受けると数の具体例たとえば無理数の開平法など
日本人の実直な数に対する姿勢を教えて下さった

木村先生は数学を研究することについてこう言っている
数学と雖も人間の歴史です
人間は閥を作りその中で生きています
ですから人間をよく知りなさい
大学院でできることなどいくら発見したと言っても
演習問題を作れる程度のことです
勘違いをしないようにと

学生運動などを経てきた先生たちは
社会についてぼやきながらも
面白いことをたくさん教えてくれた
社会科学では日本人に思想はないとまで言われているが
僕はそう思わない

どこかで自分の考えを否定されても大事なことは貫き通す
たしかに法律学や政治学の世界は無理だとしても
貫き通せる場所が社会にあるのではないかと信じていた
小さい場所かもしれないが学生運動を乗り越えた人たちの教えは
どこかで今も生きている