ああ、こんな話が・・・(^^;

http://www.yomiuri.co.jp/adv/wol/research/kyoso_091013.html
知の共創―研究者プロファイル―:研究力:教育×WASEDA ONLINE:
数理研究の花園を追い求めて――精度保証付き数値計算を極める 大石 進一/早稲田大学理工学術院教授
(抜粋)
いざ大学進学となったときには、「文学や数学なんかじゃ食っていけないだろう」という親の圧力に打ち勝てず、理工学部の電子通信学科に進みました。授業の内容はやさしいのでその場で理解し、あとは自分の好きな勉強をしているような感じでした。大学2年生になると量子力学に夢中になって、図書館に毎日通って勉強しました。

 そのうち、量子力学が発見された当時の重要な論文を、英語やドイツ語の原著で読むようになりました。朝永振一郎、ポール・ディラック、リチャード・ファインマンといった、ノーベル物理学賞を取った人たちの論文を、ノートに一字一句、手書きで書き写しながら勉強しました。

 そうこうするうちに大学3年になり、卒業論文のテーマを決めなければならなくなった。「量子力学を使った通信に関連することがやりたい!」と思いましたが、当時の電子通信学科にそんなことをやっている研究室がありません。
せめて量子力学を使って古典力学の問題を解いてみたい――そんな思いの中で、「ソリトン」という非常におもしろい非線形波動のモデルを知って、この問題にぜひ挑戦してみたいと考えました。

 卒論ゼミでは、堀内和夫先生(当時、早稲田大学理工学部電子通信学科教授)に指導を仰ぎました。堀内先生は、電子情報通信分野の研究に関数解析を初めて持ち込まれた研究者の一人で、数学的な研究に高い関心を持っておられた。
堀内ゼミでは、毎週土曜日に東京教育大学(現・筑波大学)の小寺武康先生を招いて、非線形数学のゼミを開いていました。この小寺先生がじつはソリトンの研究をされていて、有名なソリトンの理論の1つ「戸田ラティス理論」を提唱された、戸田盛和先生のお弟子さんでもあった。そんなご縁から、教育大の戸田ゼミにも参加することができました。

 堀内先生の導きもあって、こうした先生方の指導を受けることができ、ソリトンをテーマに卒論を書くことができました。電子通信工学にいながら、物理数学の分野で論文を書いたのですから、かなりの異端児だったといえますね。
つづく