新燃岳の噴火 高千穂峰登山客の安全は 05/15 19:06 MBC NEWS
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新燃岳の14日の噴火では噴煙が4500メートル上がり、高千穂峰でも細かい噴石が降り注いだといいます。

霧島連山では、新燃岳が噴火警戒レベル3で警戒範囲は3キロですが、およそ5キロ南東の高千穂峰への登山道は開放されています。

新燃岳の14日の噴火ではけが人はいませんでしたが、登山客の安全を守るためには何が必要なのか?専門家が語る注意点です。

14日午後2時44分、新燃岳が噴火しました。噴煙は火口から最高で4500メートルの高さまで上がり、やや多量の噴煙が南東方向に流れました。

新燃岳では現在、噴火警戒レベル3の入山規制が続いていて、火口から3キロは立入禁止となっています。

一方、火口から3.2キロの高千穂河原から高千穂峰への登山は可能で、高千穂峰の山頂は新燃岳の火口からおよそ5キロ離れています。

登山者に情報提供などを行なう自然公園財団高千穂河原によりますと14日の噴火当時、少なくとも10人が高千穂峰に登山中だったということです。

噴火に遭遇した登山客の中には、新燃岳からおよそ5キロの高千穂峰の山頂から、高千穂河原に向かって下山した人もいます。

高千穂河原は新燃岳火口からおよそ3.2キロで、登山者は、新燃岳の火口により近い方向に逃げたことになります。

専門家は登山中に噴火した場合の避難行動について、火口から遠い方向に逃げるべきと指摘します。

(鹿児島大学井村隆介准教授)
「基本的にはこぶし大位のものまでが「風で流される噴石」」「そう考えるとこぶし大のものが新燃岳の爆発によって高千穂の峰あたりには降る可能性がある」

「高千穂河原に下りるのは新燃岳に近づく方向。同じ風下になるが遠い方(宮崎県側)に逃げるのが定石」

「取れる対策は十分にやった上で、お客さんにきてもらうのがあるべき姿」

鹿児島側の高千穂峰登山道を管理する県の観光課は「現時点では登山道閉鎖などの対応をとる予定はない」としながら、
「登山客への注意喚起をすると共に今後も関係団体と連絡を取りながら対応していきたい」としています。

気象庁は14日の噴火について現在の噴火警戒レベル3の活動の範囲内とし、火口からおおむね3キロの範囲で、弾道を描いて飛ぶ大きな噴石に、
おおむね2キロの範囲で火砕流に警戒を呼びかけています。