医療側だけではなく患者側も含めた社会全体が勘違い

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「先生のおかげです」という患者に、医師が返した「衝撃的な一言」
https://news.yahoo.co.jp/articles/c3903ad322aacb49c599d915868d2cf8b60464a9
病気が治ったときに、医者を救い主のように思う人もいますが、これも幻想です。医者が治したように見えても、実際は患者さん自身の力で治った場合が少なくないからです。
ある高齢女性は腰痛で立つこともできませんでしたが、腰椎の牽引と超音波治療で痛みが消え、杖なしで歩けるようにまで回復しました。
「おおきにありがとうございます。先生のおかげです」
「いや、歩けるようになったのは、患者さんにまだそれだけの力が残っていたからですよ」
そう説明しても受け入れてくれず、「いえいえ、先生のおかげです」を繰り返します。
治療の効果をどうしても私の手柄にしたがる患者さんに、はっきり言ったことがあります。
「私はどの患者さんにも同じようにベストを尽くします。あなたにだけ特別な治療をしたわけではありません。それで治る患者さんと治らない患者さんがいるのは、やっぱり患者さんの側に大きな理由があるからではないでしょうか」
そう言っても、患者さんはやはり「先生のおかげ」と思いたいようでした。医者を頼りになる存在と思っているほうが安心なのでしょう。
医者が治してくれたと思えば、次に何かあってもまた治してもらえるけれど、自分で治ったと言われたら、次は自分で治さなければならないという無意識の負担も感じるのかもしれません。
病気治療や健康に関して、医者が特別な能力を持っていないことは、医者ならだれでも知っています。
多くの同僚や先輩、後輩が、がんになり、脳梗塞になり、パーキンソン病になり、心筋梗塞になり、認知症にもなっているからです。
配偶者や子どもを早くに亡くした医者も少なくありません。自分や自分にとって大切な人の病気を治せなくて、どうして他人の病気をすべて治せるでしょう。職業別の平均寿命でも、医者のそれはほかの職業の人より短いといいます。
それでも医者に頼ろうとする人は少なくありません。なぜなのでしょう。
それは、専門家に頼れば安心という幻想があるからではないでしょうか。