これは面白いねぇ

眠気のメカニズム――「現代神経科学最大のブラックボックス」の解明と、創薬に挑む|2017.10.10 筑波大学・国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS)機構長 柳沢正史教授インタビュー
https://www.mugendai-web.jp/archives/7500
――オレキシン受容体作動薬は、肥満などメタボリック症候群(肥満、高血圧、高脂血症、糖尿病など)の改善にも効果があると述べておられます。それはなぜなのでしょうか。

柳沢 オレキシンで覚醒を維持すると、人は食欲が増しておいしく食べるようになります。しかし、長期にわたって観察すると、
★★オレキシンの働きが強い人ほど痩せ、弱い人ほど太る★★という一見逆の結果が得られます。マウス実験でも、高脂肪食を食べさせるとマウスは通常太りますが、★★オレキシンを投与すると、よく食べるのに太らない★★のです。
なぜそうなるのか。確かにオレキシンは食欲を高めるのですが、半面、基礎代謝を増やしてエネルギーを多く燃やす働きがあるのです。
その結果、消費するエネルギー量が、摂取したエネルギー量を上回って痩せるのです。★★オレキシン受容体作動薬でメタボリック症候群が改善★★するのはそのためです。
また★★昼夜の生活リズムのメリハリが大きい人ほど、メタボリック症候群にならない★★ことが知られています。これも★★昼間にオレキシンの量を増やすことが、メタボの予防に有効★★であることを示しています。
ただ、代謝率が高まるメカニズムはまだはっきり分かっておらず、解明はこれからの課題です。