私が子供の頃は、悪戯をしたり、親の言うことを聞かないと言ってはよくやい
とのお仕置きをされました。
何時も上半身裸にされ、うつ伏せんされ、母が馬乗りになって背骨の上、肩甲
骨の真ん中(ちりげ)とお臍の丁度真裏辺り(命門)そしてその両腰(志室)
の4カ所に幾つも艾を置かれ大きなやいとを据えられました。
兄も私も妹も皆同じ様にやいとのお仕置きをされました。
夜になると隣の女の子の「お母ちゃん、やいと堪忍、もうしません、やいとし
ないで……熱、アッッ―――」と大声で形振り構わず泣き喚く悲壮な声がよく
聞かれたもでした。
私たちの声もきっと隣近所に聞えた事でしょが、当時は簡単にこの熱地獄から
逃げ出すことは到底出来ませんでした。