>>706
物理学において「右」と「左」を定義することは、一般的な相互作用がパリティ対称(鏡映対称)であるため一見難しいように思えます。しかし、弱い相互作用はパリティ(鏡映)対称性を破ることが知られており、これが物理的に右と左を区別する根拠となります。

弱い相互作用とパリティの破れ
パリティ対称性:多くの物理法則(電磁気学、重力、強い相互作用)は鏡映変換(右と左を入れ替える操作)に対して不変ですが、弱い相互作用はこの対称性を破ります。
実験的証拠:1956年に李政道と楊振寧が弱い相互作用におけるパリティ破れの可能性を指摘し、1957年に呉健雄らの実験(Co-60のベータ崩壊実験)によりこれが確認されました。
ニュートリノの性質:例えば、ニュートリノは左巻き(左手性)として振る舞い、反対の性質を持つ鏡像状態は観測されていません。この現象により、物理学的に絶対的な「右」と「左」の定義が与えられます。
結論
弱い相互作用のパリティ非対称性により、自然界には鏡像対称ではない現象が存在し、これが物理的に「右」と「左」を定義する根拠となっています。従って、弱い相互作用を利用することで、物理学的に右と左を明確に区別することが可能です。