これはキリスト教(カトリック)の本ですが、仏教も似た様なものでしょう。

お釈迦様の説法もおそらく最初の最初は、素朴でアバウトなそれだったかも知れません。

 ↓

いわゆる「ドグマの発展」

しかしこれは決して以前に存在しなかった信仰ができたのではない。
教会は異端に対して自己の立場を闡明する必要上、使徒伝来の信仰を、同じく使徒より継承せる教権により、誤解のないように、権威を以て、より精密に定義したにすぎない。
カトリック教会において言う「ドグマの発展」は、以前に存在せざりし信仰は後にできること、もしくは使徒伝来の信仰がその本質を変更するの意味でなくて、万世不易の信条が、あるいは異説の反駁により、あるいは神学者の研究ないしは全教会の信仰生活による宗教的体験の集積により、徐々に、より明確に、且より深く意識されて行く過程を言うのである。