大人用の玩具事件 平成29年1月12日 神戸地方裁判所 確定
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=86457
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/457/086457_hanrei.pdf

13頁(【第3 当裁判所の判断】-【3 争点1について】-【(2)】)
本件についてこれをみるに,A巡査部長らは,本件駐車場に駐車している原
告を発見し,防犯目的で声をかけたところ,原告が本件駐車場から出ていく旨述べ
たことから原告を不審に思い,所持品検査の協力を求めたというのである。ところ
で,証人Aによれば,本件当時,本件駐車場で車上狙いが多発しているとか,本件
駐車場付近が特に犯罪の多い地域として把握していたということもなく(証人A2
1頁),かつ,本件当日のA巡査部長らの警ら活動も,特定の事件の犯人の所在確
認の捜査を念頭に置いていたというような事情も認められない。そうすると,A巡
査部長らから駐車理由を尋ねられ,これをとがめられたと考えた原告が,本件駐車
場から出る旨答えたからといって,それだけでは,所持禁制品を所持していること
をうかがわせるに足りる異常な挙動があったとはいえない。まして,原告は,身分
確認のための運転免許証も提示していたこと,原告車両の後部座席及びトランクの
車内の検査にも応じていたことをも踏まえると,本件当時の周囲の状況から,原告
について罪を犯し,又は犯そうとしている事情があるものと疑わせるに足りる相当
な事情があったとも認められない。

続く