我々が素数と呼んでいるものは、有理整数環Zの
単なる素元ではなく「標準的な素元」とでも呼ぶべきもの。
つまり正の素元を素数と呼んでいる。ではたとえば
ガウス整数 Z[i]の場合はどうなるか? 複素数だから
正負で分けるのはナンセンスだと気付くだろう。この場合は
ある数を法とする合同条件で、「標準的な素元」を
(やや人工的に)定め、それをprimary primeと呼ぶ。
そして単数は±1, ±i の4つであるから、Z[i]の任意の
ガウス整数は単数とprimary primeの積として、単数の重複
を許さないものとすれば一意的にあらわされるというのが
Z[i]における素因数分解の一意性になる。