百万人の数学 上 単行本 – 2015/12/18
ランスロット・ホグベン (著), 久村 典子 (翻訳)

ホグベンの本の「特徴」は
「具体的」「実学的」であることです。
数学書あるいは数学入門書の多くは
専門の数学者が数学専攻者のために
数学書のスタイルで書くことが多いです。
そして数学者のほぼ100%は
プラトン主義者です。

簡単に言うと
数学者は数学を実学とは思っていません。
ことに現代数学は抽象化が進んでおりますので
公理によって規定されている
数学的対象(数学的構造)に対して
一段一段理解して行くしかありません。
伝統的に英国の数学は
例えば大陸の数学に比べると
抽象的一般論よりは
具体例を重視する傾向があった
ようにも感じます。
ホグベンの本はそのきわめて卑近な
典型例と言うことができるでしょう。

続く