>>143
つづき

閉集合を用いた定義
(開集合の補集合としての)閉集合を用いても同値な定義が得られる。即ち、二つの位相空間 X, Y の間の写像
f: X → Y
が連続であるとは、任意の閉集合 F ⊆ Y に対しその逆像
f^{-1}(F)={x∈ X| f(x)∈ F}
が X の閉集合となるときに言う。

近傍系を用いた定義
近傍を用いて位相空間の一点における写像の連続性を定義することもできる。
位相空間 X 上で定義された写像 f: X → Y が一点 x において連続であるとは、像 f(x) の任意の近傍の f による逆像が再び x の近傍となること、即ち
∀ N∈ N_f(x): f^{-1}(N)∈ M_x
が成立することを言う。

近傍系が上方集合(英語版)系であるという性質を用いれば、

∀ N∈ N_f(x),∃ M∈ M_x: M⊆ f^{-1}(V)
∀ N∈ N_f(x),∃ M∈ M_x: f(M)⊆ N
などのように言い換えることもできる。後者は逆像ではなく像を使った言い換えになっている。言葉で言えば、これはどんなに小さな近傍を選んでもそれに写される近傍が必ず見つけられることを言っているのである。

またこの定義は、基本近傍系あるいは特に開近傍のみを考えるものに単純化しても、実は同値になる。
∀ V∈ T,f(x)∈ V,∃ U∈ T,x∈ U: U⊆ f^{-1}(V)
∀ V∈ T,f(x)∈ V,∃ U∈ T,x∈ U: f(U)⊆ V
やはり後者は逆像の代わりに像を用いた言い換えである。これは、X, Y が距離空間のときには、任意の近傍を考える代わりに x および f(x) をそれぞれ中心とする開球体全体の成す近傍系を考えるというのと同じことであって、このとき、写像の連続性は距離空間の文脈における通常の ε-δ を用いた連続函数の定義と同じであることが確かめられる。
一方、一般の位相空間では近さや距離の概念を使わずに議論しなければならない。
とは言え、終域 Y がハウスドルフならば、f が一点 a において連続であるための必要十分条件を、x を a に限りなく近づけるときの f の極限が f(a) であること、と述べることができることには注意。
(引用終り)
以上