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数学ガールの秘密ノート 結城浩 第177回 背理法をめぐって(前編)20161118
(抜粋)
僕:数学が好きな高校生。
テトラちゃん:僕の後輩。好奇心旺盛で根気強い《元気少女》。

問題1 √2が無理数であることを証明せよ。

僕「ああ、これは有名な問題だよね。背理法を説明するときに必ず出てくる例題だよ。 でも、テトラちゃんならこの証明、できるんじゃない?」
テトラ「ええ……はい……まあ。先輩もすぐに『背理法』とおっしゃるんですね」
僕「そうだね。これはいろんな本で読むから、証明も暗記しているくらいだよ。 こんな感じになるよね」
解答1 略

僕「それで、何に引っかかっているの?」
テトラ「ありがとうございます。では、基本的なことから……どうして、この問題を見たときに《背理法》を使おうとすぐに思いつけるんでしょうか?」

僕「おっと。それは基本的なところというより、とても大事なところだと思うなあ。この問題に関していえば、 僕の場合は『覚えているから』だと思うよ」
テトラ「えっ! 暗記?」
僕「暗記といえるかどうかわからないけれど……もしも僕が生まれて初めて、この問題を見たとするなら、絶対に背理法なんて思いつかないはず。 僕がいつ背理法のことを知ったかはもう忘れちゃったけど、 何かの本で読んで『こんな証明の方法があるんだ!』 とすごくびっくりして印象に残ったんだ。

僕「なるほどね。ただね。背理法を使うのによさそうだな、ということはよく考えてみるとわかるよ。
 だって”√2が無理数である”ということは、 ”任意の整数a,bに対して√2≠a/b”だといってるわけだから」

テトラ「え、それで……?」

僕「つまり、無数のa,bについて成り立たないことを証明しなくちゃいけないよね。それはなかなかつらい。 それだったら、背理法を使って、 具体的なa/bを使って考えを進められたほうがいい。矛盾まで進めばいいんだから」

僕「だから《有理数》を《互いに素》を使ってa,bという二整数に置き換えたことによって、 僕たちは、
・議論を先に進めるための数式を得たし、
・矛盾を作り出す二つの命題を作れた。
といえるんだよ。 とにかく、式を作れるようになるのは大きな一歩だと思うよ」
(引用終わり)