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AIとバイオの時代は、哲学の時代だ

 コンピューターはシリコン系の半導体でできている。元素の周期表を見ると、炭素(C)の真下にシリコン(Si)がある。

 人間はシリコンを見つけ、コンピューターを作った。それがAIで自分たち人間を凌駕するかも知れない。
バイオサイエンスでも、中国・深圳の研究者がゲノム編集でHIV(エイズウイルス)にかかりにくい双子を誕生させた。
人間からHIVだけでなく悪いところ、弱いところを除く技術は人間をとんでもない方向に行かせる。人間はAIとバイオで自らを徹底して変えられてしまう時代がきた。

 今までは「人知の及ばない」という言葉のように、人間には恐れるものがあった。しかし、ついに人間は恐れるものがなくなってしまうのだ。

 こうなると、人間とは何なのか。AIとバイオの時代は、哲学の時代なのだ。
すさまじくデジタル化、テクノロジーが進んだ世界で、人間性をベースにした社会とはどんなものかを最も考えなくてはならない時代が来る。

 日本には「三方良し」とか、歴史的には無常の哲学とか、人間と社会の関係を柔軟に考える風土があるように思う。
日本はプラットフォームでは完敗だが、将来の社会を考える分野でリードできないか。