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深層学習だけでは汎用AIを実現できない

 深層学習システムは近年、多数のブレークスルーの原動力になっているが、人間のように汎用的な知能を持つマシンを作り出すには、さらに多様な技術が必要だ。

 「深層学習は素晴らしい技術であり、それ自体で非常に有用だが、私の考えでは、AIを解決するには間違いなく不十分だ。全く足りない」(Hassabis氏)

 「深層学習は1つの部品だと言える。同じようなブレークスルーがあと10個程度必要になるだろう。求められる技術革新は非常に多い」

 「脳は1つの統合されたシステムだが、脳のさまざまな部分がそれぞれ異なる役割を担っている」

 「たとえば、海馬はエピソード記憶を、前頭前野は制御を司っている」

 「現状の深層学習は、脳の感覚野、つまり視覚野や聴覚野に相当するものとみなすことができる」

 「だがもちろん、真の知性にはもっと多くの要素があり、それを再結合して、より高次元の思考と記号推論に変えなければならない。この多くは、従来のAIが80年代に取り組んでいたことだ」

 「当社の研究プログラムは、次のようなこと(を調べている)という見方もできる。『深層学習システムを使って第一原理から学習することで、知覚を拡張することは可能か。高次元の思考と記号推論に到達するまで拡張することは可能か』」

 「そのためには、概念の学習などの問題を解決する必要がある。これは、人間なら苦もなくできるが、現在の学習システムにはできないことだ」