――著書の最後のほうで、「やましさ」についてもふれていますが、極論を主張している人たちは、
持論を純粋に信じてはいないのですか。

純粋に信じているのではありません。
彼らは自分たちがマイノリティであることは認識していますが、
最初は「私たちだけが真実を知っている」と確信しています。
そして、なぜ周囲はわかってくれないのかと思って活動し主張するのですが、
そのうち「もしかしたら私が間違っているのではないか」と感じ始めます。
しかし、間違いを認めると、自分たちのアイデンティティが崩壊してしまうので、周囲と連帯するのです。
心の中に「自分がおかしいのではないか」とやましさがあるので、仲間を求め、
仲間からの承認で安心することができます。
本当に正しいならば、連帯を求めることはしないでしょう。
やましさがあるので、彼らは第三者からの監査を異常に嫌います。