12時30分49秒
時事通信が6〜9日に実施した10月の世論調査によると、岸田文雄内閣の支持率は前月比1.7ポイント減の26.3%(不支持率は同2.3ポイント増の46.3%)、自民党の支持率は同1.0ポイント減の21.0%で、いずれも2021年10月の政権発足以来、最低を記録した。内閣支持率を世代別に見ると、シニアが比較的高く、若者が低い。男女別では、男性が女性を上回っている。調査結果からは、高齢男性に主に支えられる政権の実態が浮かび上がる。(時事通信解説委員長 高橋正光)

◇29歳以下は10%強、70歳以上36%

 調査は全国18歳以上の2000人を対象に個別面接方式で実施。有効回収率は58.8%。それによると、「18〜29歳」の内閣支持率は10.3%。「30歳代」は18.1%。これに対し、「70歳以上」36.0%、「60歳代」32.4%。「40歳代」「50歳代」はその中間で、それぞれ、25.1%と24.0%だった。

29歳以下の支持が極端に低いことで、世代間で25.7ポイントの開きが生じている。また、不支持率が最も高いのは「30歳代」の54.8%、低いのは「70歳以上」の41.6%。全世代で4割を超えている。

 男女別の内閣支持率は、男性29.9%に対し、女性22.5%で、7.4ポイントの差があった。

 男性、高齢者の支持が相対的に高く、若者、女性が低い傾向は、自民党の支持率も同じ。男性24.8%に対し、女性17.0%。「60歳代」の30.0%が最も高く、「18〜29歳」の9.5%が最も低い。ただ、30歳〜50歳代はいずれも2割に届いておらず、シニア世代に依存する傾向は、岸田政権以上に自民党が強いと言える。

◇世代間の差、小さかった安倍政権

 今回の調査結果を、菅義偉政権や第2次安倍晋三政権と比べると、男性の支持が高い点は共通だが、若い世代の支持が極端に低いのが、岸田政権の特徴であることが分かる。

 発足1年で退陣した菅内閣の支持率が最も低かったのは、21年8月の29.0%(不支持は48.3%)。男性(31.5%)が女性(26.1%)を上回った。

世代別では、「70歳以上」の37.4%が最も高く、これ以外の世代はいずれも2割台。このうち、「18〜29歳」の21.0%が最低だったが、世代間の差は16.4ポイントにとどまっている。「70歳以上」が突出して高かったのは、新型コロナウイルスのワクチン接種に最優先で取り組んだことが、評価されたとみられる。自民党の支持率は23・