日本消化器病学会速報 アトピー性皮膚炎患者の大腸に慢性炎症、若年者にはまれなメラノーシスも

重症のアトピー性皮膚炎患者では、大半で大腸粘膜に慢性的な炎症が起こっていることが明らかになった。
藤田保健衛生大学消化器内科の有沢富康氏らの検討によるもので、潰瘍などの明らかな病変はないものの、
S字結腸が強く屈曲している人が多く、若年者にはまれな色素の沈着(メラノーシス)もみられたという。
アトピーの病態解明につながる所見として注目されそうだ。研究結果は、4月25日の一般口演で発表した。

なお、アトピー性皮膚炎患者の便には多量のカンジダ菌が排出されることがあり、
抗真菌薬の服用で皮膚症状が改善するケースもある。
しかし、有沢氏らが免疫染色法やポリメラーゼ連鎖反応法(PCR法)で調べたところ、
大腸粘膜にカンジダ菌はまったく見出せなかった。
患者の中には抗真菌薬の服用で症状が良くなった人も含まれていたが、
服用の後でも大腸粘膜への好酸球浸潤は続いていた