誤認逮捕巡る訴訟で和解 国・県が解決金支払い―大津地裁
2024年04月05日18時54分時事通信
滋賀県警が事件の証拠の歯型を取り違え、20代の女性が誤って逮捕、起訴された問題で、違法な取り調べで精神的苦痛を受けたとして、女性が国と県に計約300万円の損害賠償を求めた訴訟は5日までに、大津地裁(池田聡介裁判長)で和解が成立した。女性の代理人弁護士によると、国と県が計100万円の解決金を支払う。
女性は2019年、当時生後約1カ月の実子の腕をかんでけがをさせたとして逮捕、起訴された。公判で傷痕と歯型の不一致が指摘され、県警鑑識課員による取り違えが判明。20年に起訴が取り消され、女性が21年に提訴していた。
訴状によると、女性は取り調べで否認したが、警察官に怒鳴られ、虚偽の自白を強要されたと主張した。女性の代理人弁護士によると、県側が自白の強要があったことなどを認めたという。
県警監察官室は「原告に深くおわび申し上げ、再発防止および適正捜査を徹底していく」とコメント。地検は「真摯(しんし)に受け止め、適正な検察権行使に努めていく」とコメントした。