捜査関係者によると、秘密情報は、ソフトバンクの通信技術に関する情報。
荒木容疑者は、同国通商代表部の50歳代の幹部職員の求めに応じ、営業秘密情報を入手した上、首都圏の飲食店でこの幹部職員と会食した際に、情報を入れた記憶媒体を渡していたという。

通商代表部は貿易関連業務を担うロシア大使館の一組織。
荒木容疑者は昨年2月以前にも、この幹部職員や別の元代表部職員らと飲食店などで会合を重ねていた。
別の元代表部職員は2017年に帰国しており、元代表部職員が数年前に荒木容疑者を情報提供者として「リクルート」し、幹部職員に引き継いだ疑いがあるという。
警視庁は昨年12月、荒木容疑者の自宅やソフトバンクを捜索していた。

警視庁は25日、警察庁を通じ、この幹部職員と別の元代表部職員の2人について、警視庁に出頭するようロシア大使館に要請。
幹部職員は外交官の身分を持つため、今後、外交官特権で帰国する可能性がある。
外交官は、外交関係に関するウィーン条約で、業務遂行や安全確保のため受け入れ国での不逮捕特権が保障されている。