血液型と気質の関連を科学的な研究対象にしようとする試みは、
昭和の初期から医師や学者によって行われてきましたが、
結果的に科学的な差異が認められなかった経緯があります。

先の米誌の記事の中で菊池聡信州大准教授(心理学)は、こう言っています。
「血液型は血液中のタンパク質によるものであって、性格とは何ら関係ない。
血液型性格論はえせ科学であり、その考えは人間理解の妨げになり、
人種差別主義と同じようなものである」

欧米では血液型の話は冗談ではすまされません。
第一次世界大戦後のドイツで、ナチスがユダヤ人迫害のスローガンとして
「純粋なアーリア人の血をユダヤの血で汚すな」と呼びかけたとされます。
「血で人が異なる」という信念が強調され、
アウシュビッツにつながる民族大虐殺が行われたことを連想させるからです。

血液型性格論が与える最大の問題点は、人にレッテルを張ったり、決め付けたりすることです。
これは差別や偏見の入り口となります。本人の能力や資質とは無関係の論点だからです。
(後略)

*+*+ 中日新聞 2009/03/08[11:25] +*+*
http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2009030802000046.html